2012年2月3日金曜日

コネニケーション

今日のテーマは「就職活動2.0」。


今の就職活動についてちょこっと考えてみましたので、いつもどおりテーマに沿い切れない支離滅裂な感じで行きます。




昨日、岩波文庫の変わった採用方式が話題になりました。


岩波文庫は採用ホームページにて、


岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」


とホームページに記載という記載をしていました。
これについて、厚生労働省就労支援室は「あまり聞いたことはない。採用の自由はあるが、厚労省としては基本的に広く門戸を開き、応募者の適性、能力に応じた採用選考をお願いしている」と話している。

としていて、今回の岩波文庫の採用方式に若干の違和感を感じているようです。



確かに、この縁故方式で岩波文庫にエントリーするためには
・著者の知り合い 
若しくは
・社員とのコンタクト
がなければいけません。

紹介という概念がどの程度までのことを指すかは明確ではありませんが、少なくとも一度は社員の方と会ってお話をし、その社員さんに薦めてもらう必要があります。

社員が紹介するということは社員が「認めた」人しかスタート地点に立てないということでしょうか。
また、いくら自分が岩波に行きたくて社員にアタックしたのにも関わらず、スケジュール等が合わず、結局お話をする機会すらなくなってしまうというケースも考えられるのではないでしょうか。

今はフェイスブックやツイッターで誰とでも連絡が取れるようになりました。しかし、それだけのツールを駆使して、社員の方とコンタクトを取ろうを思ってSNS上で連絡をした場合でも快く迎えてくれるでしょうか。

もし、そうでなかった場合、地方から来る学生の方は厳しい環境に置かれると思います。
普段は地元にいれば、就活支援サイトの登録をしておくだけで、後はスケジュールに沿ってやれば大丈夫でしたが、このような縁故方式になると実際に都内の本社に行き、社員の方と合うことが絶対条件で、その次の段階で初めてエントリーを完了するという流れになります。
こんな方式でどの企業にもやられたらもう「お手上げ」ですね。


確かに、何千人もの応募の中から数人を選ぶことは予算的にも、体力的にも大変なことです。しかし、それが「人事」の役目であり何万人いようが「志望者を平等に見る」ことが、本来の務めなのではないでしょうか。

これは結構深刻なことで、
例えばA、B、C君の3人がめでたく紹介されることになった例を挙げてみます。

A君は岩波の役員の息子、B君は社員の知り合いの息子、C君は社員にアタックして紹介して頂いたとします。


成績はC君が1番で、面接ではB君とC君が高評価でした。

ここで採用側にA、B、Cの中で誰か一人を選べとなったとします。




結果はーA君。


という結果になる可能性が十分にあるのです。

なぜなら「縁故採用」ですから。



要するに岩波文庫の方式に沿ってやっていくと、企業と就活生の結びつきが最も強固な子を取るという精神のもとで採用を進めていくのではないかと私は思います。

平等=コネではない
とすると、

縁故=コネ=不平等
ということになります。



岩波文庫は間接的に「不平等な採用をしますので、どうぞ集まって下さい。但し、家族に社員がいる方は合格なので安心して下さい」

と言っているかもしれません。


昔の就職活動はコネもあったでしょう。
それが時代の変化とともに平等になってきて
今では企業から「コネ」という言葉は殆ど聞かなくなりました。
(一部ではやっていると思うがw)



それが、今回の岩波文庫さんのようにオープンなコネ採用をしているお陰で、
企業も安心していい大学のいい人材のみを採用できるようになるかもしれませんね。

これからはソー活の時代とも言われています。


SNSによって透明化された情報は採用にも大きなメリットを生むと言われています。費用を抑えられ、多くの就活生情報を入手でき、誰と誰が繋がっているのかのソーシャルグラフも一瞬でわかります。外国では9割の企業が就活生のFBを確認しているそうです。

今回のケースがSNSに飛び火し、大手企業も「予算がない」と言って、フェイスブックの学歴や学力を見ることによって、大学1年生の段階からフィルタリングをかけて学生にアプローチしていくことを助長するようなことにならなければいいんですが。
まぁそういう状況はいずれ起きると思います。厚生労働省就労支援室も今はいっちょ前に話していますが、ソーシャルメディア上の「コネニケーション」には気付かないでしょうしね。


企業は志望人数が多いだとか、実際に本気で入ろうと思っている人が少ないとかいっていますが、一応学生だってこの短い期間に非常に多くの企業を見て、自分の将来の模索しているのです。企業も少しは学生に「選んでもらっている」という感覚を持ったほうがいいのではないでしょうか。でないと、学生も企業からどんどん遠ざかってしまうと思います。
それでも、
「コネも実力の内」とか言われたら、フェイスブックの友達申請をしまくって友達1000人とかにしたらいいってことになるのですかね?
よく分かりません。


突発的に書いてしまったので、まだこの部分は考えがまとまっていないですが、少なくとも私達の代から就活というものの概念が大きく変わろうとしていることは確かです。


企業がこれから学生に期待するのは「コネニケーション力」かもしれません。




こちらは追記:
雇用問題:岩波「コネ」採用騒ぎはステマ?

岩波のコネ採用はステマではないかという意見ですね。どうでしょうか。








以下は参考までに


就活のコネ 様々なレベルがありコネ入社ブロック社員も ー常見陽平





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