2012年2月2日木曜日

自己実現とか




「あなたが人生で成し遂げたいことは何ですか?」

って難しい質問ですよね。私も全然分からなかったので自分なりに今の就職活動と照らしあわせながら支離滅裂に考えてみました。






今、私は就職活動をしています。


某企業から頂いた就活用の手帳を開いてみると、合同説明会やセミナー、個別の会社説明会などの予定が結構入っています。
今年は1ヶ月遅れの就職活動ということで、企業は勿論、学生も従来の就活スケジュールと違うので戸惑いつつも早く内定をもらうことに必死になっているようです。




毎日登録した企業からのメールを見て、説明会の予約を取るために一瞬でも気を許せません。なぜならたった数十秒で予約がいっぱいになってしまう企業もあれば、企業の説明会でエントリーシートを書かせる企業だってあるそうですから。


その程度で将来決められたら困る!


って気持ちも分かります。


しかし、外資系やベンチャーなど、かなり早めに採用を始めている企業を志望している学生でもう既に就職先というものが決まっている方もいますし、そういう人はこれからの人生計画を練っているところかもしれません。






まぁ、大半の人はこれからが就活の本番です。




まず、一般的な就活についてのお話をします。
就活生は前段階として、幾つかのリクルートサイトに登録してプロフィール、志望業種など事細かく設定し、自己分析を行って、「自分がどの企業にむいているのか」「どういう人間であるのか」を診断します。




色々な問題をやらさられるのにも関わらず、たいていは、創造的とか、情熱的とか、論理的とか、計画的などといった当り障りのない結果になりますよね。あくまで、そういうサイトは企業と自分のマッチングを図ろうとしているだけですから。




なので
「起業家してみてもいいかもしれません、あなたに〇〇ナビは必要無いです」




というような結果が出ないのは、例えそういう判断をしうることのできる項目があっても「新しい何かを創造するタイプ」とか「ものづくりのスペシャリストタイプ」のように、あくまで学生と企業とのマッチングのためにしか考えおらず、学生の自己分析を「昔から備わっている潜在的な性格のバリエーションをすべて考えた自己分析ツール」として機能させていないからでしょう。


まぁ就活のためのサイトですからそういう結果にならないのは当たり前ですけどねw




ヨーロッパの方では学生でもバンバン起業しています。
国からある程度、起業家を支援する制度もある?そうですし、逆に起業しない学生は「つまらない人間」とされてしまうそうです。
日本にもどんどんそういった学生起業家を支援出来るようなプラットフォームみたいなのがあればいいのになって思います。(あったらすみません)
就活でいう◯◯ナビ!みたいに起業家を目指す人を手厚いフォローするような「起業家ナビ!」みたいな環境もないから、日本での「起業」はハードルが非常に高く、多くの学生は起業の「き」の字も難しいと思っているからだと思います。


そのような環境が整っていないためか、チャレンジする精神を持っている若者が減少し、萎縮した国内市場が生まれてしまい、世界で戦えるだけの力も持てなくなったのではないでしょうか。
そうすると、今のような、サムスン一社にソニー、シャープ、東芝の三社が合わせて挑んでも勝てないような環境が生まれてしまうのではないでしょうか。




話が逸れてしまいました。就活ですね。


学生は次に、その診断を参考にしながらさらに自己分析をします。そして企業にマッチングしたエントリーシートを創るように心がけます。


「オンリーワンのエントリーシートを作ることが大事」と学内の就職指導課にアドバイスされたり、参考書に書いてあったりしますので実践しようとしますが、なかなか自分の言葉で他人と違う内容を書くことは難しいですよね。


そりゃよっぽどのネタがあればなんとか書くことは出来るかもしれませんが、それがなければ差別化はなかなか難しい技術だと思います。




たいていの企業は採用する際に、エントリーシートを提出させますので、そこには、自分の経験、それも他の人とは違うような内容を自分の言葉で書かざるを得なくなります。


しかし、真面目な学生生活を送っていた学生は


「サークルの幹事を担当し、150人を統率しました」
「ゼミのリーダーでメンバーを纏めました」
「バイトを3年間続けたので継続力があります」
「向上心を常に持っています」
「その結果、◯◯の大会で優勝しました」


などという大学生で経験したての内容を書きます。


しかしこれはまさに、
自己PR=大学生生活中でのちょっと自慢できること
になってしまっているからです。
ESに書けるネタを大学時代のものにすることは確かに説得力があるかもしれません。
でも大事なのは
「自分をいかにして伝えるか」
であって、単に自慢話をすればいいという訳でもないと思います。
自分の今までの人生から自分という人間がどういう人なのかを簡潔に伝えなければいけません。


自分の経験をオリジナルの言葉に落とし込んで、他のライバルとの差別化をつけるためにはしっかり自分について考える機会を設ける必要があります。


誰に見られているか分からない自分の人生の縮小地図を1枚1枚、まるで瓶に詰めた手紙を世界中の誰かに読まれて欲しいという思いを込めて海に放すような気持ちになりながら、一言一句丁寧に、抜け目なく書かなくてはいけません。


それが通ってからようやく面接などの段階に進むことができます。




エントリーシートで書いていたことを面接では聞かれることが多いと思います。
学生時代何をやってきたかはとても重要です。しかし、学生が学生時代に学業、バイト以外に出来ることは、ある程度限界があると私は思います。




ここでまた話が逸れてしまうのですが、日本には「スーパー大学生」という人がいます。彼らは学生時代に学業とやりたいことを両立していて、学生にしてその道を極め始めていたり、全く新しいことにチャレンジをして結果を生み出し、他の学生から尊敬されている人たちです。


しかし、この「スーパー大学生」はしばしば企業に馴染めないと言われます。理由としては、その学生のスキルや情熱、目標が高く、もはや企業に入れても本質的部分でのマッチングがなされず、辞めてしまうのではないか、そう考えるからではないかと思います。




たしかにそういう学生には少なからず大きな目標があり、現実的な夢を持っている人が多いため、話していてもとても面白く、魅力的な方だらけです。当然、企業からみたら価値ある人材であり、また貴重な即戦力にもなります。しかし、企業と「スーパー大学生」の目指している目標が具体的に違いすぎて、なかなかそのような学生を企業が囲い込むには両方の面で苦労が伴います。


ただ、実際に企業から長期的な目線で見てみると「別にすごくない」と思われることもよくあるそうです。
なぜなら、何年か実践での経験を積んでいる社員の方は仕事上のノウハウや、スキルを身につけていますし、社会人としての常識もしっかりとわきまえています。ですので、私達がいう「スーパー大学生」は企業からしたら、基礎知識をもっている新入社員2年目の若手ような感覚にしかならないのです。


スーパー大学生は学生企業家になる方が多く、実際に自身の好きなことをそのまま会社という組織に拡大させて世の中を変えるために動きまくる先鋭集団です。しかし、社会人として経験を積んだ人がいないというリスクも含んでいます。起業した会社に経験者を雇えれば話は別ですが。


反対に、「スーパー大学生」ではない多くの学生のスキルは企業の方から見ても「即戦力」にすらなりません。というのも、大学までに企業で教わるような専門知識を蓄える機会自体が殆どないからです。(そもそも社員教育という制度はそういった学生を「企業に合わせる」ための一種の儀式のようなものだと思います)




当然私もスーパーでもなんでもない、普通の学生です。自分がどの企業に行くのかも分からないまま、大学で専門知識まがりのスキルを身につけるのですから、将来自分が専攻した分野の学問を社会人で生かせる幅は決して広くはないものだと思っています。


だからといって学生時代に何かをやろうとしてプロジェクトを仕掛けたりはしていないので、与えられた範囲内(ゼミ、サークル、学生団体など)で打ち込んだことしか、企業に対してはアピール出来ません。


しかも、企業の方たちは私達がPR出来るような内容を実際に学生時代に体験をしている方だらけなので、こちらが大学で何をしていようと実際のところ印象としては「普通の学生」にしか見えないのです。


ここでまた話は戻ります。
今述べたようなスーパーな経験をしている学生はその話の価値は高いと思います。他の人との差別化も出来ていますし、自分の意見を持っています。


では、私のような「普通の学生」はどうすれば面接で自分を出せるのでしょうか。




私は多くの場合、面接官が見ているのは本人の「人間性」だと思っています。




例えば、判断基準が「能力・人間性」だったとしたら判断基準を「ある」か「ない」にしたとして、4段階の評価にした時は、


1 能力が「あって」人間性も「ある」
2 能力が「なくて」人間性が「ある」
3 能力が「あって」人間性が「ない」
4 能力も「なく」人間性も「ない」


という評価になると思います。






企業の方は将来一緒に働くかもしれない後輩を選ぶときに人間性を見るのは、その「不変性」を評価しているからです。能力は誰でも上げれますし、逆に落ちることもあります。


しかし、生まれてきた時から今までの人格形成の過程を踏まえて人間性を判断することで、その人がどのような常識、考え、心を持っているのかが分かると思います。




仮に上司Aが同じチームメイトのである新入社員Bと3日仕事をしたとします。AはBのパソコン能力が凄いことを知り、はじめは「こいつすげぇ!天才!!」と思いましたが、日常態度が悪すぎるので、だんだんチームメイトとしてBといるのが嫌になりました。


今度は上司Aが違うチームメイトである新入社員Cとという初対面の人と3日仕事をしたとします。
AはCがよく「パソコンわからない」というので、仕方なく教えていましたが、Cは情熱家で、いつも返事がしっかりしていて笑顔を絶やさないので同じチームメイトとして育てたいと思いました。




以上の2つは先ほど例で挙げた、
能力が「あって」人間性が「ない」
能力が「なくて」人間性が「ある」
の比較(少し大げさかもしれません)ですが、


就活生と企業の関係は片思いの相手に対してする




「恋の駆け引きのようなもの」




であり、その人の「能力」も大事ですが、多くの企業はそれ以上に「人間性」を見ているのです。






つまり、「一生この企業で働いても大丈夫か」をその人の長期的な人間性を予想しながら判断しているのです。






私達のような大学3年生は今までの人生を振り返って自分の人間性について、考え直してみる必要があるかもしれません。そうすれば、見栄えだけの自分ではなく、より本質に近い自分を見つけられるのではないかと思います。
ライバル達も10人いたらたいてい6人くらいは「〇〇をやって纏めた」みたいなリーダー発言をするそうですし、人事も飽きてしまいます。


当然、学生時代にやってきたことを述べることがいけないという訳ではありません。しかし、水増しして話を誇張したり、少しでもイメージをよくしようとして全くの嘘を作り上げるようなことが良くないですし、どうせ同じような答えになるなら最初から違う部分で勝負に出た方が個性は出せるのではないでしょうか


コミュニティデザイナーとして著書をしている山崎氏はある町のアピールポイントを考えていたときにその町の名産や文化などの「特徴」がなく、どうすれば良いのかを悩んだそうです。
しかし、最終的に出した答えはシンプルで
「何もないのがこの町のウリ、逆に探しだそうとすればなんでもある」
という結論にたどり着いたそうです。




無理して自分のアピールポイントを探すより、シンプルに今ある自分のをそのままアピールに使うだけで、こんな素晴らしい表現も出来るのです。


就活生は必死に「何か自分のすごいこと」を探そうとしています。しかし、それは短期的な一過性のものにしか過ぎず、本当に大事なのは「ありのままの自分を受け入れ、それをアピールする」ことなのではないでしょうか。
そのありのまま経験を自分の言葉として伝える。先輩の自己PRを参考にしたり、参考書をくのではなく、あくまで自分目線で考える。


そうすれば、生い立ちから今までの自分に共通する本質的な部分を考えに考え抜いて、面接の時にも企業に対して正直な、人間性のある自分という商品を売り込めるでしょうし、そうすれば企業にとっても分かりやすく、ミスマッチを最小限に抑えることが出来ると思います。




このように今話してきた内容は、就活の面談をするということが前提になってしまいましたが、例えば、自身について考えている段階で「新しいものには何でも興味があって一度はまったらやめられない」という結論になった方は、起業家としての素質を持っているかもしれないので、今すぐ就活サイトの登録を解除し、自分の夢や目標に向かって突っ走ってもいいのではないかと思います。




これから就活の控えてる人も、一度「自分は将来何をやりたいのか」を真剣に考えた方がいいかもしません。今までになかったようなすごいアイデアが生まれるかもしれませんし、それが就職という選択肢をなくすかもしれませんし、後の大発明に繋がるかもしれません。


日本の産業は世界の中でまだまだ存在感を放っていますが、世界は秒単位で成長しています。これが10年、20年経ったときに吃驚するぐらい変わっていると思うと、私達の就職活動をより広い視点で見れるようになるのではないでしょうか。


別に起業を薦めているわけではありません。ただ、就職活動という枠組みに組み込まれてしまっていて、本来の自分と向き合える時間があまりにも短いのではないか、そう思うわけです。




就職活動はその人の人生も決めてしまいます。


しかし、それ以前にもっと根源的な部分である




「自分は何をしたいのか、どうありたいのか」




を考えるだけで、達成のために行うべき方法の選択肢は就職すること以外にも無限に出てくるかもしれません。
もしかしたら、その方法を作り出せるのも自分だけかもしれません。




そして最終的なゴールでもある


「人生で成し遂げたいこと(=自己実現)」


を一度考えてみてはいかがでしょうか。






だって、今後38年間の仕事がたった1年の就活で決まるなんて、なんか重すぎません?

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